『転職の思考法』北野唯我
このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法
- 作者: 北野唯我
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/06/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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このまま今の会社にいていいのか?
絶賛、転職活動中の自分にとって買わずにはいられない本だった。
内容は30代の主人公が有名なコンサルタントから転職の思考法を学んでいくというストーリー仕立て。ストーリーはおもしろくないし、主人公の会社は時代遅れそのもので、描写される社員がクズすぎて極端。いつでも転職できるというカードを持つことが一番重要だと言いたいらしいが、転職しろ!と言わんばかりのお決まりの流れである。
下記のとおり、いろいろ参考になる考え方もあるんだけど、「業界の生産性」が高いとこに行け!というのは、つまり衰退産業を選ぶなってことであり、新卒で衰退産業を選ばざるを得なかった人たち、生産性の高い業界・会社を選べない人にとってはそんなのわかっとるわ!!って話なんだけど、まあ現実だからしょうがないですね。
自分に響く点だけ参考にできればよいので立ち読みでもよかったな・・・。
【響点】
- 転職が悪だというのは、新たな選択肢を手に入れる努力を放棄した人間が発明した、姑息な言い訳にすぎない。
- 日本は終身雇用が完全に崩壊している。仕事の寿命が切れる前に、伸びる市場に身を晒せ。
- 現代の変化における本質は,人の寿命と会社の寿命とのねじれが起きたことにある。なので、構造的にどこかのタイミングで転職をしなければならない。
- 「技術資産」「人的資産」「業界の生産性」の3つの要素に整理。
- 技術資産は専門性。マーケティングやリーダーシップ、事業開発の経験など。
- 人的資産は社内でどれぐらい信頼されているか、あるいは社外でこの人に仕事をお願いしたいと思ってくれている人がどれだけいるか
- 業界の生産性は日本では業界別の一人当たりの生産性が最大20倍も差がある現実
『ファイナンス思考』朝倉祐介
ファイナンス思考とは・・・
会社の企業価値を最大化するために、長期的な目線に立って事業や財務に関する戦略を総合的に組み立てる考え方であり、将来に稼ぐと期待できるお金の総額を最大化しようとする発想とのこと。価値志向であり、長期志向、未来志向である。
- 事業に必要なお金を外部から最適なバランスと条件で調達し、
- 既存の事業・資産から最大限にお金を創出し、
- 築いた資産(お金含)を事業構築のための新規投資や株主・債権者へ最適に配分し、
- その経緯の合理性と意思をステークホルダーに説明する
【響点】
- リクルートは各事業のユニットごとにPLを作成し、自律的な運営を一任してEBIDAマージンの改善目標を課する経営ノウハウを買収先に適用している。
- コニカミノルタは事業の選択と集中を通じてキャッシュを創出し、資金調達と併せて自己資本比率を引き上げ、得たキャッシュを買収などの投資に回している。
- 日立の川村社長は責任が曖昧だった主要事業を社内カンパニーに区切り、PLだけでなくBSの責任をも事業責任者に負わせて意識改革を図った。
- 販売量や売価、店舗別の利益といった指標を定量的に分解して把握することは、ファイナンスに関する活動を行うにあたり、前提となる情報を得るための基本動作である。
- サントリーはビーム社買収によって約6500億円の“のれん”ならびに約9800億円の無形資産を抱えた。のれん代の償却費用が年300億円まで膨らんだが、目標達成のために取らなければならないリスクであると判断した。
とてもわかりやくおもしろい。ファイナンスはもっと勉強したいのだけど、今の会社では資金調達はデットに限られるから、深堀りしても実務には活かしきれないジレンマがある。設備投資や出店計画は金利はもちろん、回収期間を基に予測したキャッシュフローから割り出すように年々ファイナンス思考の要素を取り入れているけど、結局自己満でしかない。そしてその予測の是非を理解して評価する人間も社内にはいない・・・。ファイナンスなんて、それこそコンサルとか投資銀行のエリート様の世界に入ってしまうから(勝手なイメージ)、次元がちがうのだけど、曲がりなりにも経理として働いている身として、どこまでこの職にしがみつき、スキルを上げ続ける必要があるのかわからなくなる今日この頃。
『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』ふろむだ
けんすうさん絶賛の本
『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』
これあまりに良い本。人生のうまくいく方法のネタバラシがすごいですw。https://t.co/OooRMq6b9M
— けんすう (@kensuu) August 10, 2018
【響点】
・人はイケメン政治家の容姿に影響されて投票したのに、イケメンだからではなく政策や手腕を評価して投票したのだと思い込む。イケメン政治家にとって、他人のその無意識の思い込みは思考の錯覚なのだが、イケメンというだけでその他の能力も高いと勝手に思ってもらえるから「資産」となる。
・思考の錯覚を理解して、錯覚資産の生成操作運用を理解して、有害な思考の錯覚を取り除くことができれば仕事や人生の成功確率を上げることができる。
・ハロー効果(halo=後光)は認知バイアスの一種でなにか一点優れていると、なにもかもが優れて見えてしまう錯覚のこと。ハロー効果が得られそうな仕事や役割に手を挙げてチャレンジし、運よく成功できれば具体的な数字で成功値を示して評価を受け、良い環境を手に入れよう。
この本を読んで思い浮かべたのはこいつ。
偽フォロワーで有名なカメラマンと錯覚させた。でもこいつは人生を生きる上では有能であったといえる。カメラの実力なんて素人から見たら大きな違いなどわからない。現に芸能人の依頼が絶えなかったのだからイメージ戦略大成功だ。(芸能人はイメージがすべてだから芸能人をターゲットとした時点で有能。)
フォロワーを増やしたからといって実際に人気が出る確証もないのだから、運もいい。
あとショーンKとかいたな・・・。学歴詐称してた政治家なんて珍しくなくなった。昔リリーフランキーはイラストレーターになりたいという相談者にイラストレーターの名刺を自分で作って名乗ればいいと言っていた。相手を錯覚させることができるなら嘘の肩書きもハッタリも有効なんだ。
自分に実力や能力が無いと嘆いている暇があったら、とにかく行動するくらいのほうが丁度いいのかもしれない。“正直者がバカを見る”とよく言うけど、それはいつの時代も正直者というだけで人生をうまく渡り歩けるほど世の中は甘くないし、単純じゃないということなんだろう。
『日本再興戦略』落合陽一
【響点】
・一人がひとつの天職によって生きる世界観に我々はもともと住んでいない。
100の生業を持ちうる百姓として生きることが性に合っている。
・日本人はワークとライフを二分法で分けること自体が文化的に向いていない。
仕事と生活が一体化した「ワークアズライフ」のほうが向いている。
ストレスを感じなければ無限に残業したってええじゃないか。
・今の教育は「やりがいややりたいことがない」という自己否定意識を持った歪んだ人間を生んでいる。(・・・オレやん。)
・日本はIT鎖国するべきだった。中国のようにアリババやテンセントやバイドゥを生むことができなかった。2000年代の日本はIT鎖国をした中国をグレートファイアウォールと揶揄してたが、結果として中国が正しかった。
・これからは職業のポートフォリオを組みながら暮らしていくことになる。
・弁護士や会計士、税理士などは社会制度を複雑にしたおかげで生き残った職業である。給料は高いが社会に富も価値も生み出していない。制度を難しくこねくりまわしているだけで、あまり意味ない。
彼の名は落合陽一。
時代の寵児ではあるし、いわゆる天才なんだろうけど、ちょっと浮世離れ感が凄すぎてテレビやNewsPicksに出演してる時はあまり話が入ってこない。
本もこれでもういいかな。
ひろゆき
ひろゆきという男
こんちわこんちわ。
ここ最近ひろゆきの配信にハマっています。
2009年に譲渡しているが、ひろゆきと言えば2ちゃんだ。
何度民事訴訟を起こされても「死刑になるなら賠償金払うけど」と言って
全く意に介さなかった鋼のメンタルを持つ男だ。
この映像めちゃくちゃおもしろい。
ひろゆきは法を知り尽くした上で正論を説いている。
コメンテーターも反論の余地がない。(今となってはひろゆきと仲良しの橋下さんがいるのもおもしろい)
最近の配信を見ている者からすると、当時から彼はまったく変わっていないことがわかる。システムの下で人や物事が動いているのだから、それを理解した上で論理的に考えて論理的に行動することが結果楽だし、幸せに生きれるよね!という考えだ、たぶん。
だから民事訴訟を起こされても、世の中のシステムを把握しているし、その上で論理的に考えて結論出してるから何もこわくないのだろう。
そんな超論理的なひろゆきだが、世の中の底辺層の思考に興味があるらしい。自分では想像できないような愚問や愚考を知るのが楽しいのだそうだ。そう、やはり天才は変わり者なのだ。でも彼が変わり者だったおかげで、底辺層の僕はひろゆきの論理的思考やベーシックインカム、世界情勢まで知ることができた。底辺層を間違いなく見下して馬鹿にしているのだけど、人生が楽しくなるヒントを与えてくれる優しい金持ちなんだ、彼は。
これからもパリでお酒を飲みながら、底辺層を見下す配信を継続してほしい。
生きがいだからお願い。
『AIとBIはいかに人間を変えるのか』波頭亮
AIとBIとはそもそも・・・
AIとはarticificial technology人工知能の略。
BIはベーシックインカムの略。
AIの発達によってもたらされるインパクトは・・・
①知的労働の価値の暴落
②感情労働の価値向上
難しい解説で眠くなったけど、経理事務やデータ分析などの仕事はAIに取って代わる・・って前から言われてるよなあ。。
感情労働って言われてもピンと来ないけど、AIには感情無いんだから人間にしか出来ない仕事が残るのは当たり前ではないのか?昔からコミュニケーション能力が一番重要なのは自明だし。
BIは全国民に月7~8万円が支給されるという夢のような案だ。
働かなくても「基礎的収入」が得られるのだから、食うための労働からは解放される。だが、食うために働いていても仕事で得られる充足はお金だけじゃない。仕事を通して自分が成長できたり、相手に喜んでもらえたりすることのほうが醍醐味だと思う。
僕は怠惰な人間だからそもそも食うための仕事を奪われたら堕落の一途を辿るだろう。
著者はやりたいことを見出す能力が求められると言うが、こちとら学生の時分からやりたいことを探しているわけで今なお現在進行形だ。夢中になれるものが容易く見出せるのなら苦労はしない。自分なりに修練して今の仕事にしがみ付いているのだ。
AIとBIは世の中と人間を変えるのだろうが、変わりたくても変われないまま、一所懸命頑張っていた仕事も奪われ、どうしたらいいのかわからず、とりあえず自動的に振り込まれるお金の範囲で食欲と性欲を満たし、ただただ年老いていく凡人が増えると思う。