Klog ~あきらめの悪い男~

あきらめの悪い30代男が不器用ながらも前向きに生きるためにあがきます。

『これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話』堀江貴文

これからを稼ごう

ホリエモンの『これからを稼ごう』を読んでみました。

かなり読み応えがあり、最近流行の焼き直し本とは一線を画す印象です。

これからを稼ごう: 仮想通貨と未来のお金の話

これからを稼ごう: 仮想通貨と未来のお金の話

 

ビットコインって何なんだ?

ビットコインとは、暗号技術を使ったP2P(ピアトゥピア)型の電子通貨のこと。個人的にはP2Pといえば共有ファイルソフトのwinnyを思い出す。当時は割とマジでエロ動画がたくさん手に入るサイトだと思っていた。まさかサーバ不要で暗号化や転送機能などに優れたソフトであったとは思いもしなかった。

ビットコインの特徴は非中央集権的である点だ。ドルや円といった法定通貨はすべて中央銀行が発行・管理しているが、仮想通貨に中央組織の管理は不要だ。それだけで時代を変える通貨である。

 

コインチェックNEM流出事件

ハッキング被害によりNEMが流出したコインチェックの事件は記憶に新しい。犯人と思しき人物は匿名性の高いダークウェブ上に流出したNEMを他の仮想通貨と好条件で交換販売するサイトを立ち上げた。ホリエモンはこれを法定通貨で行われるマネーロンダリングと同じであり、仮想通貨の動きは現実社会のお金の流れと見事なまでに似通い始めたと語る。おもしろい。

 

お金ってそもそもバーチャル

物々交換では無理があるから価値を代替するために生まれたのがお金だ。その名の通り、兌換紙幣は金銀と交換できるから価値があるのであって、紙幣イコール価値ではない。所詮紙きれなのだ。電子マネーが主流となった今、価値代替できるモノは既に変わっている。これからは管理体制も変わるということだろう。

 

よく聞くマイニングって何だ?

マイニングとはハッシュ関数を用いて大量の計算を行い、最初にブロックの検証に成功したノードにネットワークから新たに発行されたビットコインが与えられる特典を得るための作業。要はビットコインを得るための検証を行うには膨大な計算が必要ということだ。そしてその計算を行うための特別なチップを使用したASICは大量の電気を消費する。マイニングは電気代がかかるという意味がやっとわかったよ。

※マイニングは採掘という意味で金の採掘に喩えられている。

 

ライブドア株式の100分割の真意

ホリエモン曰く、当時のライブドア株式の分割は購入単位をできるだけ下げて通貨のように使うことを想定していたと。コングロマリット化していたライブドアをひとつの国家として捉え、その国家の通貨として株を使う。日本という国家の概念を相対化しようと考えていたとまで言う。発想もスケールも次元が違うと言わざるを得ない。

 

ICOの本当の価値

ICOの場合、トークンを発行するだけなので、議決権が存在しない。つまりいくら資金調達を行ってもプロジェクトが買収されるリスクが無いということ。それよりもアルファベット社の発行株に議決権のない株が存在していることのほうが衝撃だった。。知らなかった・・・。一般株主は純粋なキャピタルゲインのために株を保有しているということになる。企業の在り方として真っ当なようなそうでないような・・・。

 

お金より信用

最終章でホリエモン「これからの社会はお金との交換ができない独自の価値基準を持っている人が豊かになる」と説きます。ノウハウやスキルなどお金と代替できない価値・・・。それって、パンピーにとってお金を稼ぐより難しいんじゃないかと思っちゃいます。でもツンデレホリエモンは最後に優しい言葉を底辺層の僕らに投げかけます。「あなたはそんなイケてないわけじゃない。まずは面白そうなことをやってみよう」と。。僕の解釈はこうです。不細工で金もない男に明るい未来が無いのは、通貨経済でも評価経済でも同じこと。だから悔いなく好きなように生きてみろ!このゴミども!!